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2008年4月 6日

「ついコン」のまとめ

Twitterの仲間で作ったコンピレーションアルバム「ついコン 〜What are you doing?〜」が4月4日に公開されました。
昨年末に企画して、足掛け3ヶ月もかけたプロジェクトでした。
今回、このプロジェクトのとりまとめをしたわけですが、ここで、一度この企画がどうやって進んで行ったのかをまとめてみたいと思います。

はじまり

きっかけは

絵描きさんたちがTwitterカレンダーを作り上げたなら、歌歌いによりTwitterコンピレーションアルバムが出来てもいいはずだッッ!!

この発言に飛びついてしまったのが僕。

「 @sichisei やりますか!!」

と、発言したのが2007年12月25日のこと。これがはじまりでした。

やろうと思ったわけ

Twitterのタイムラインを見ていると結構音楽をやっている人は多くて、そういう人と一緒に音楽をやれたら楽しいなとずっと思っていました。
実際、この企画の始まる結構前に、@Aobaと音楽をやることも決まっていて、すでに曲もできていたのです。こういう動きがあちこちで出てきたら面白い! と思いました。
それと、コンピレーションアルバムというからにはCDの形をとりたい。でも、CDという形あるものにしてしまうと、配布が面倒なんですね。通販するとか、郵送するとか手間がかかります。
で、ヒントになったのはついったーカレンダー企画で、これは、各自がデータをダウンロードして印刷してはじめて形にするというもの。
コンピレーションアルバムもこれと同じように、CDのイメージと、ジャケットを各自でダウンロードしてもらって、CD-Rに焼いて、ジャケットを印刷してCDを作ってもらえばいいんじゃないかと思いつきました。
こういうやり方って、あまりネット上で見かけたこともない。見たこともない企画って楽しいかも! とも思ってしまったのでした。

参加者集め

そうと決まれば、参加者集めです。
まず、はてなグループのついったー部の自分の日記で

ついったーコンピレーションアルバム - ヒビアワ@ついったー部 - はてなグループ::ついったー部

こんなのを書いてみました。で、これをタイムラインに流したら結構なコメントが集まったので、今度は、

ついったーコンピレーションアルバム001 - はてなグループ::ついったー部

キーワードを作成。ここで、本格的に参加者を募集開始。
音源、ジャケットの製作者のほかにも、配布サイトのデザイン、サイズの大きいファイルを配布することになるのでミラーサーバも必要ということでサーバスペースの提供者も合わせて募集。
結果的に、音楽をやる人以外も参加できるようになりました。参加締め切りは1月10日まで。正月休みを挟むことで、ゆっくりと自分の中の本気度を確かめてもらえたらよいなと。

Googleグループを作る

おそらく、たくさんのやり取りが必要になるだろうという予感があったので、MLは必須と判断しました。
なにしろ、初めての企画なので、決めなきゃいけないことが山積みなので。
そこで、Googleグループを作ることにしました。

ついったーコンピレーションアルバム001 | Google グループ

参加者には全員こちらに参加してもらうことにして、製作の状況をすべて把握してもらうことにしました。
ただ、MLは話し合いをするには便利ではあるのだけど、積極的に話し合いに参加する人、しない人の間の温度差が感じられてしまって、立ち上がりはちょっとしんどい感じでした。
それと、どんどん発言が流れていくので、それを追うだけでも一苦労。これは、途中から、現在のまとめを作ることで楽になった気がします。

進め方

この企画はおおまかに

  1. 参加者募集
  2. アルバムタイトル決定
  3. 曲数確定
  4. 楽曲しめきり
  5. 曲順決定
  6. CDイメージ作成
  7. ジャケットデザインしめきり
  8. 配布サイトデザイン
  9. 配布開始

の流れで行いました。

アルバム名

この手の企画では、早めにその企画をネーミングしてしまうのが重要だと僕は思っています。
ということで、まず、アルバム名を決めることにしました。
みんなからいろいろ意見を出してもらって、そこから選ぶことにしたのです。いろいろなアイデアが出ました。やはり「Twitter」という言葉を含むものが多かったです。
そんな中、「ついったーコンピ」 でいいんじゃない? という意見も出たのですが、ここで、そもそも「Twitter」という言葉を使うとまずいんじゃないという話になりました。
商標的な問題もあるし、なんとなくTwitter公式なイメージも感じてしまう。
そこで出てきたのが「ついコン」と縮めてしまうというアイデア。さらに、Twitterっぽさを感じる「what are you doing?」という言葉をつけた「ついコン ~ what are you doing? ~」というタイトルに決定しました。

曲数確定

音源製作者が20人を越えた時点でCD2枚組みという形になるだろうことは想像がつきましたが、最初にやる! といっても、途中でやっぱりやめるという人が出てくることもあるだろうと思っていました。
なので、ある時点で、再度覚悟の程(笑)を確認する必要がありました。
そこで、1月18日までにアーティスト登録というものを行ってもらうことにしました。

アーティスト名:
ジャンル:
メンバーのTwitterID:

のフォーマットで、MLで返信してもらいました。複数のTwitterユーザがユニットを組む形もありえたので、「メンバーのTwitterID」も明記してもらいました。
結果、21組のアーティスト登録が行われました。

はてなグループ

12月末からはじまり4月に公開するという3ヶ月もかかるプロジェクトなので、このプロジェクト自身の存在を忘れられてしまうかもしれないし、メンバー間での刺激にもなるだろうということで、メンバーの進行状況などを公開していったほうが良いのではないかという話が出ました。
そこで、はてなグループを作りました。

ついったーコンピレーションアルバム vol.1

ここで、各自進行状況などを書いていき、リスナーの期待をつなごうという作戦です。
サイトのデザインは、@woopsdezが行いました。

音源について

音源は、当初、集めた後に簡単なマスタリングを行おうと思っていました。こうしないと、アルバム内での音圧がばらばらになってしまう恐れもありました。
しかし、そもそもマスタリングまで含めて楽曲作成をしたいという人もいて、各自がマスタリングまで行い、どうしても音圧が低すぎるなどの場合に限って、僕のほうで簡単なマスタリングを行うということになりました。

音源は、「マスタリングまで行った44.1kHz,16bitのWAVEファイル」として、そのファイルを各自のサーバに置きURLをメールしてもらうか、大容量ファイルの送信サービスを使って僕に送ってもらうことにしました。
その時、

  • アーティスト名
  • 曲名
  • 曲の長さ
  • 参加しているTwitterユーザのID
  • 作詞者、作曲者、編曲者などの情報
  • 歌モノの場合は、歌詞

これらの曲情報も一緒に送ってもらいました。

それから、音源は公開前に各自で公開してしまうと新鮮さがかけるのではないかということで、正式公開まで非公開という方針としました。

音源提出

音源提出は、2回に分けることにしました。
まず、最初の提出は2月末までとし、その後、その音源をmp3化しみんなで視聴できるようにし、その結果、ミックスやマスタリングをやり直したいという人のみ、3月9日までに再提出を受け付けました。
音楽製作は終わりがなくて、いつまでもやり続けてしまうため、締め切りは厳守とし、締め切りに間に合わない場合は不参加ということに決めました。
結果、19組の音源が集まりました。
自分でも厳しいルールだったかなと思ったのですが、かなりみんながんばってくれて、これだけの曲が集まったことはこれだけですばらしいことだったと思います。

ジャケット製作

曲数が決定したのでジャケットの製作も進行できるようになりました。
デザイン面のディレクションは@Aobaが行うことになっていたので、@Aoba指揮のもとデザインチームが動き出しました。
まず、ジャケットデザインを行うためのテンプレート作りから。

Trapのテンプレート

ここのテンプレートを参考に、オリジナルのテンプレートを@woopsdezが作成しました。
このデータは、AI、PDFなどのフォーマットで参加者で共有し、このテンプレート上にデザインを行う形で進んでいきました。
ただこの時点では、まだ曲数が決定していなかったので、曲順はダミーのデータのままの進行となりました。

ロゴ製作

共通で使えるロゴがあると良いのではないかということで、デザインチームでロゴのデザインを持ち寄りそこから、みんなの多数決で@woopsdezのロゴが採用となりました。
このロゴは、配布サイトや、ジャケットデザインなどで使われることになりました。

ジャケット提出


ジャケット提出は3月10日と決定。2月中旬から製作開始したので、約1ヶ月の制作期間を設けたということになります。
ただ、この間に、クレジットの文言、参加者などが変わったため、何度か修正作業が発生してしまって、デザインチームはそのたびに修正作業が発生してしまったのは申し訳ないところ。
ただ、これは、ある程度仕方ないことなのかなとは思っています。

ジャケットも締め切りを厳密にしたのですが、1名を除きすべてのデザインが提出されました。これで、4種類のジャケットデータができあがりました。

曲順決定

曲順は、立候補してくれた@OKZが行うことに。
ジャケットデザインの締め切りである3月10日前には決定する必要があったので、3月8日までに決定してもらいました。
この曲順を元に、デザインチームは曲順の修正を行いました。

告知サイト

公開が近くなってくると、知り合いなどから「ついコンってどうなったの?」とか「ついコンってなに?」と聞かれることが多くなってきました。
そこで、公開前に「ついコン」をみんなに知ってもらうために@nipotanが告知のためのサイトを作ってくれました。

ついコン ~What are you doing?~

しかも、ドメインまで!!
素敵なドメインなので、このドメインで公開をすることも考えましたが、公開は別のサイトで行い、告知のみここで行うということになりました。

視聴用クロスフェード

当初は公開まで、音源は非公開ということで進んできましたが、せっかく作ったものを1ヶ月も公開しないというのはちょっとストレスがたまりますし、良い告知になるのではないかということもあって、収録楽曲の「おいしいところ」をつまんでつないだクロスフェードを僕が作成。
メンバーに聞いてもらったところなかなか好評だったので、告知サイトで公開することにしました。
これと告知サイトの公開により、今まで形の見えなかったこのプロジェクトが「耳」に届き、公開への期待が高まったのではないかと思います。

配布方法でトラブル

さて、音源も集まり最終配布形態であるCDイメージを作成しようとしたのですが、音楽CDをISOフォーマットで配布することはできないことがわかりました。
ISOイメージで配布することで、どんなOSでもCD-Rを作成できるというのがこの企画のミソだったので、これが使えなくなると企画自体が失敗します。
あきらめて、mp3での配布としようと思ったのですが、そうすると曲順も保障されないし、アルバムというコンセプトからも外れてしまいます。
そこで、さまざまな方法を模索したけっか、cue+bin形式で配布すればWinでもMacでもフリーウェアを使ってCD作成が行えることが分かりました。
これで、CDイメージが配布できます!

配布ライセンス

続いて問題になったのは、配布ライセンスをどうするかという問題です。
実は、これは僕のミスでもあるのですが、ここにいたるまで、ライセンスについてはまったく考えていなくて、特にライセンスを明記することなく配布を行うつもりでした。
しかし、ライセンスは明確にした方がいいという意見も出てきて、その結果、

Creative Commons Attribution-Noncommercial-Share Alike 2.1 Japan

このライセンスで配布することにしました。これであれば、ファイル共有などで広めることもできますし、二次創作物(たとえば動画とか)も出てくる可能性があります。
ただ、ここで、問題になったのは、CCライセンスの元で配布するという前提でプロジェクトを進めていなかったので、いくつかの問題も出てきました。
これについては、CCに詳しい方にも相談に乗ってもらい、無事に解決しました。

mp3ファイルの配布

あくまでもアルバムという形にこだわるため、CDイメージのみの配布を考えていましたが、それだと、聞ける人を制限してしまうのではないか、という意見も出てきました。
コンセプトも重要ですが、「聞いてもらうこと」も重要です。
そこで、CDイメージ以外にも、簡単に聞いてもらえるmp3ファイルも配布することにしました。
これであれば、ダウンロードしてすぐに聞くことができます。
ただし、ざっと聞いて満足してしまうのはさびしいのとサーバ負荷の軽減のため、配布サイトでの直接の視聴はできないようにしました。

ミラーサイトへの配置

出来上がった、CDイメージ、ジャケットデザイン、mp3ファイルは各ミラーサイトへ配置し、配布サイトでは、そこへのリンクを行うことにしました。
作った各アーカイブをいったん僕のサーバ上におき、それをサーバ担当者にダウンロードしてもらって、それを配置、という形をとりました。

配布サイト

配布サイト作成は@Aobaが担当しました。
サイト作成は、ジャケットデザインと同時進行する形で進めました。
この部分に関しては、@Aobaの負荷も相当高かったのではないかと思います。
ただ、ここを大勢で行うのは効率が悪いため、一人で担当してもらいました。
当初、配布サイトは、視聴用、本番公開用の2回に分けて公開したいと思っていましたが、@nipotanの告知サイトもできていたので、本番公開用に注力してもらいました。

BitTorrent

CCライセンスでの配布も決定したので、BitTorrentでの配布もできるようになりました。
BitTorrentでの配布に関しては、@shao1555にお任せしました。
僕自身、BitTorrentを使ったことがなかったので、まったく分からないことばかりで、@shao1555にすべてお任せしてしまいました。

そして公開へ

公開日は、当初4月7日としていたのですが、予想外に作業が進んだことと、週末にゆっくりとCDを焼いてもらうこともできるのではないかという判断で、前倒しして、4月4日に公開することを決めました。
時間は、正午。
この時間に公開することで、昼と夜にダウンロードが分散できるのではないかという思惑もありました。

で、4月4日。
@nipotanには告知サイトを正午ぴったりに切り替えるスクリプトを仕掛けてもらい、僕は、そのタイミングで告知サイトのベーシック認証をはずす準備をしました。

そして、正午。

ついコン ~What are you doing?~

ついにプロジェクトはフィナーレを迎えたのでした!

まとめ

こうやって、まとめを書いてみると、このプロジェクトがどれだけ大変なものだったのかを再度認識しました。
たった1枚の(2枚組みですけど)CDをみんなの手元に届けるために、総勢34名のメンバーが日夜議論し、製作してきたのがこの「ついコン」なのです。
人数が多ければ、さまざまな意見も出てきて、それをまとめることの難しさを実感したり、僕自身のとりまとめの能力の低さに絶望したりもしましたが、そのたびにメンバーに助けられてきました。
ここまですばらしいプロジェクトがゴールできたのは、メンバーとこのプロジェクトを応援してくれたTwitter-erのおかげです。ほんとうにありがとうございました。

「第二弾はいつ?」とも聞かれるのですが、正直に言えば、次回は僕はとりまとめの立場ではなく、参加者として参加したいなと思っています(笑) それくらい、この企画は僕にとって体力と精神力を試されるものでした。もちろん、今回の製作で得たノウハウもたくさんあるので、そのあたりはサポートしますので、「第二弾をやってみたい」と思った人は、ぜひ、取りまとめてみませんか? 一度フォーマットや方法が決まっているので、次回は今回よりずっと楽に進められると思います。

……とかいって、結局僕が取りまとめていたりするのかもしれないですけどね(笑)

投稿者 CHEEBOW : 2008年4月 6日 14:44 このエントリーを含むはてなブックマーク

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