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2009年8月25日

中学生、高校生に曲作りの楽しさを伝えてみた

先日ヒビノアワ: 小学生にプログラミングの楽しさを伝えてみたわけですが、今回は中学生、高校生に音楽を自分で作る楽しさを伝えてきました。

Dream Creation イベントサイト さまでじ

とはいえ、あまりにがちがちにDTMの基礎からとかやっちゃうと音楽的な知識とか必要になってきて、あまり楽しくないだろうなーと思い、今回はループシーケンサを使って、すでに用意されているループをぺたぺた貼っていく感じで、曲作りをしてもらいました。
使ったソフトは、こちらのSequel 2!

Sequel 2
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今回のワークショップでは、YAMAHAさんに協力いただき、体験版を使いました。

会場は、渋谷にある貸し会議室で、一人1台ノートPCを用意しました。
参加者が集まる前に、全てのPCにSequelをインストールして、動作確認。
しかし、ここで、トラブル。マシンの何台かで、曲の再生中にノイズがのりまくる問題が発生。
いろいろ調べて、不要なプロセスを切ってみたり、オーディオデバイスのバッファを大きくしてみたりしたのだけど、解決せず。
参加者のキャンセルもあったので、なんとか動くPCをかき集めてワークショップはスタートしました。

参加者は、中学生4名、高校生5名で、男子6人、女子6人という感じでした。
自ヘッドフォンを持ってきてもらいPCにそれをつないで、各自の音が回りにもれないようにしました。

まず、僕の自己紹介、DTMの説明とSequelの基礎的な操作方法を教えたあと、さっそく実習してもらいました。
まずは、好きなフレーズを選んで、4小節分のループを作ってもらいました。
実は、僕がこのワークショップの内容を考えていた時に危惧していたのが、「自由に作っていいよ」といった時に、逆にその自由さが枷になって、なにをしたらいいのかわからない、という状況になることでした。これに対する対応としては例えば「好きな色をイメージしてとか」「好きな場所をイメージして」とかいう方向付けを用意していたんですけど、驚いたことに、ほんとに彼らは自由なのです。
フレーズを聞いて気に入ったものをぺたぺた貼っていきます。そこには、吟味はあってもためらいはありません。
うまく作ろう、上手にやろうという気持ちがどうしても出てしまう僕らと違って、彼らは無邪気です。
楽しそうに、しかしもくもくと、無言で作業を進めていきます。

しかし、また、ここでトラブルが発生!
数台のPCでループを選択するループブラウザに、作業中にループが表示されなくなってしまうと言う問題が発生してしまいました。
こうなるとこれ以上作業は出来なくなってしまいます。
回避策はあることはあるのですが、快適な作業とはいいにくく、非常に苦痛な作業だったと思います。
それでも、彼らは文句ひとつ言わず休憩も取らず(!)作業を続けていたのですから、それだけ、このループを選んで複数のループが音楽になっていくさま、を楽しんでいたことが分かります。

けど、このままではさすがにスムーズは曲作りは行えないと考えて、本来準備していた「一人が作った曲に手を加えて、リミックス作業を楽しむ」を変形させた「二人でひとつのPCを使い一緒に曲を作って行く」という方向に切り替えました。
ちょうどまともに動くPCが3台、スタッフと僕が持ち込んでいたMacBookが2台あったので、それを10人で使う形にしました。
今回、危ない状況になるのに、なんとか切り抜けることができるという綱渡りが続きます(笑)

さて、ここから、参加者のテンションが一気に上がります。
二人で話ながら作ることで、お互いに刺激を受け、気付き、ひらめき、出来たものを二人で聞くことでまた新しいアイデアが出てくるという良いサイクルが出来上がっていきます。
二人でひとつのヘッドフォンの右と左をわけあって、聞いている姿を見ていると、高校生の時一つのウォークマン(!)から流れる音楽を一緒に友人と聴いた記憶が思い出されます(笑)
そうやって、もくもくと作業が続くのですが、彼ら彼女らはすっかり夢中で、休憩時間を取る気配もありません。さすがに心配になって、「休憩しましょう」と言っても、やはり作業は続きます(笑) 休む気などないみたいです。

僕は、みんなが作業しているところを回っては、彼らの作成中の曲を聞き感想を述べたり、「こんな感じにしたい」という質問に答えて、新しいループを提案したり、曲のテンポを提案したりしました。
基本の操作法が分かれば、非常に簡単に曲作りが出来るソフトなのも良かったのか、非常にスムーズに進んでいたと思います。

そうこうしているうちにワークショップの時間が近づいてきました。
出来た作品をみんなに聞いてもらおうと提案しますが、案の定「恥ずかしい」という反応。
ま、このくらいの年代ならさもありなん。
しかし「二人で作ったんだから自分だけはずかしいこともないでしょう?」と言ってとりあえず納得してもらいました。
会場で用意してもらったスピーカーをもって、各PCのところにいきケーブルを接続して、作品をみんなで鑑賞します。
同じソフトを使って同じフレーズ集からフレーズを選択しているとは思えないほど、多様な曲ができました。
ちょっとエッチなボイスサンプルを使った曲。
とにかくたくさんのフレーズを足して好きな音を鳴らした曲。
非常におしゃれなラウンジっぽい曲。
まるで映画のサントラのような広がりのある曲。
明るく始まりマイナーを経てまた明るくなるという王道ポップス構成の曲。
ほんとにいろいろなタイプの曲が出来上がりました。
彼らの発想の柔軟さと、ためらいのなさには驚かされました。

アンケートの結果でも、参加者の満足度は高かったようでかなり楽しんでもらえたようです。
10代の夏のたった1日のことですが、自分で音楽を作ってみたというその経験が何かの役に立てばいいなと思っています。

今回はトラブルも多かったですが、おおむね成功したといって良いのではないかと思います。
また、機会があれば、ぜひこういうワークショップをお手伝いできたらいいなと思っています。

主催の株式会社ドリームクリエーションさま、ほんとうにありがとうございました!

投稿者 CHEEBOW : 2009年8月25日 14:23 このエントリーを含むはてなブックマーク

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