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2010年2月17日

[読]プロメテウス・トラップ

プロメテウス・トラップ (ハヤカワ・ミステリワールド)
福田 和代
早川書房
売り上げランキング: 25864
おすすめ度の平均: 5.0
5 ハッカー精神が溢れる傑作
5 ネットワーク上の知恵比べに思わず引き込まれる

とっても、地に足の着いたハッカー小説だった。

ハッカーの出てくる小説はいろいろあるし、僕も良く読むのだけど、そこに出てくるハッカーは荒唐無稽なハッキング手段を使ってハッキングしたりする。なんとなく雰囲気は伝わるけど、それはないなー、という。
でも、「プロメテウス・トラップ 」はよく調べて書いてるなーと思った。というか、著者が元SEなので、それも当然なのかもしれないけど。
なので、そのあたりの描写は安心して読み進められた。
で、肝心の物語も、元が雑誌連載だったこともあり、一話づつ完結するエピソードもありつつ、次へと進む「ヒキ」があるので、「えっ! 次どうなるの?!」という興味でぐいぐい引っ張られる。その上、常にどんでん返し! ジェフリー・ディーヴァーのごとし。
キャラクタ描写も魅力的で、作者が女性ってこともあって、女性読者が読んでもかっこいいと思えるんじゃないかなという感じ。僕は、パンドラが好きだったです。
読後に考えさせられる要素もあり、小説的な趣も十分。
とても、面白かったです。

あ、でも、本文中に出てくるいくつかの技術的記述で、僕だったらこうするなという部分もあり、そういうところを探すのも(著者には申し訳ないけど(笑))楽しかったりもしました(笑)。

かなりおすすめです。

投稿者 CHEEBOW : 2010年2月17日 23:27 このエントリーを含むはてなブックマーク

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